21日(金)の全米封切りを目前に控えたヴァンパイア映画“Twilight”が、公開前からティーンを中心に人気を集め、社会現象化する事態となっている。
大スターの出演もなく、ヒットさせることが難しいといわれているこういったインディペンデント作品が今、これほどの注目を集めている理由は何か。
ロサンゼルス・プレミアでファンにサインをするクリステン・スチュワート
インディペンデント製作会社サミット・エンタテインメントが製作し、自社配給する“Twilight”は、ステファニー・メイヤーのベストセラーシリーズ「トワイライト」の映画化。
ヴァンパイアの青年と恋に落ちるティーンエイジャーの女の子を描いたラブ・ファンタジーだ。
17日(月)にロサンゼルスで行われたプレミアには、数100人のファンが駆けつけ、主演のロバート・パティソンやクリステン・スチュワートらからサインをもらう光景がメディアでも大きく報道された。
また、公開2週間前にあたる11月4日(火)に発売された映画のサントラ盤は、またたく間に16万5000枚を売り上げ、全米アルバムチャートで初登場1位を獲得した。
さらに、サミットが20日(木)深夜から先行ミッドナイト上映を行うと発表したところ、全米500館でチケットがソールドアウトに。
もっと多くの劇場で行ってほしいというファンからの要望に応え、急きょ、数100館を追加する事態も発生した。
週末のチケットも400スクリーンがソールドアウトになっており、すでに劇場前には徹夜組が並び始めている。
前売り券の発売状況から見ると、ミュージカル作品としては過去最高のオープニング興行収入となる4200万ドルを記録した『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』を上回っているという。
少なくとも3000万ドル、もしかすると5000万ドルを超えるとも言われている。
これほどの社会現象になったことについて、バラエティ紙のコラムニスト、アン・トンプソンは5つの理由を挙げる。
理由1:ベストセラーが原作 メイヤーの小説は、シリーズ作品として「ハリー・ポッター」に続く第2位の売り上げを記録しているベストセラー。世界中にファンがいて、“Twilight”の公式ウェブサイトは800万ビジットを超え、350のファンサイトが存在するという。
理由2:ロバート・パティソンの人気 主演のイギリス人俳優ロバート・パティソンは、ティーンの女の子たちの間で人気急上昇中。
昨年7月のコミコンに登場したときも、徹夜組を含む5000人のファンが詰め掛けた。
また、今年のローマ映画祭で8分のダイジェスト映像が上映された際、3000枚のチケットが20分で売り切れた。
理由3:女性はロマンスに飢えている 近年、スタジオはまじめなロマンス映画を製作しなくなっている。
ロマンスがテーマになっている場合、コメディに走るか、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『マンマ・ミーア!』のように、既存のブランドに頼る傾向があるため、新鮮な題材に飢えている層がいる。
理由4:ヴァンパイアものだから ヴァンパイアを主人公にしていることで、ロマンスにファンタジーがプラスされる。
さらに、ヴァンパイアものは男性にも訴求力があるのが強み。
理由5:サミットの重箱の隅をつつく戦略 経済不況の中、サミットは社運をかけるとばかりに、製作費3700万ドルに対しP&A(プリント&アドバタイズメント)に3000万ドルを投入し、今年4月から本格的な宣伝活動を行ってきた。
まずはMySpaceに予告編を掲載。人気テレビ番組での特集。
雑誌50誌での特集。さらに数シーンの追加再撮影なども行っている。
熱狂の中心はティーンエイジャーの女の子。
大ヒットにつなげるにはティーンの男の子と、より高い年齢層の女性の動員がかぎと見られている。しかし、すでに“母親”たちの間で8000人もの会員を持つファンクラブも出現しているという。
なお、日本配給権は角川エンタテインメントが獲得している。
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